「めまい」=目が回る→目からきている、目の病気?ということで眼科を受診される患者さんがおられます。
じっさいのところ、目からきている場合は、ほとんどないとないといってもよいかもしれません。
めまいには、中枢性のものと末梢性のものがあります。
中枢性のめまいとは、頭の中の血管病変からくるものです。
現代の中高年者は糖尿病、高血圧、高脂血症、内臓肥満などを抱えていることが多く、動脈硬化を背景にした中枢性のめまいを起こす確率が多くなってきています。
多くは、「椎骨脳底動脈循環不全」によるものですが、なかには小脳や脳幹の出血や梗塞によるのもがありますから、内科の先生の診察を受け、場合により頭部MRIやMRAを受けてください。
特に 高血圧がありコントロール不良の糖尿病をもつ患者さんは、要注意です。また中高年の方で、降圧剤を服用中でめまいを繰り返すといった場合など、主治医の先生にその症状をよくお話しください。
他に、一過性脳虚血発作(TIA)といって、一時的にふらっとして意識を失う(あとには回復)といった症状もあります。
末梢性のめまいとは、耳の内耳の不調からくるものです。
多くは、「メニエール病」ですが、高齢者のメニエール病は若いときから持病として持っていた方がほとんどです。
他に、変性した耳石が半規官の中を動いて、発作的にめまいを生じる「発作性頭位眩暈」というものがあります。
いずれも、眼科というよりは 内科耳鼻科的な病気ですので、内科や耳鼻科をまず受診してください。
回転性のめまいだけでなく、物が縦にゆれたり、二重に見えたり、しゃべりにくい、手足がしびれる、頭痛といった症状を伴う場合は、緊急を要します。
メタボリックシンドロームを背景にした疾患については、もちろん眼科も関わりがあります。当院へ通院の方で、めまいの症状があり、疑問に思われましたら、いつでもお尋ねください。