コラム

子供の視力について その1

学校の春の健康診断の結果や統計表が、毎年12月に一冊の冊子となって、西宮市教育委員会から 校医をしている私達に送られてきます。
H20年12月配布のものは、H19年度のものですが、これをみると 身長、体重などの数値(西宮市)は、兵庫県の平均値や、全国平均値とほぼ同じでした。

ところが、視力をみてみると、裸眼視力1.0未満の者の割合が、

  • 小学校で 34.1% (全国26.5%)
  • 中学校で 59.6% (全国47.8%)
  • 高校で  75.0%  (全国58.4%)と 全国に比べると高くなっています。

幼稚園のみ逆で、西宮市では14.4%ですが 全国20.4%との数値がでていました。

また、小学生の視力検査結果を学校別であらわした表があるのですが、甲陽園小学校の1.0未満の生徒の割合をみますと 男子 42.4%、女子 47.7%でした。これは男女とも42ある西宮市の小学校のなかで 第1位の数値でした。
最も少ないところの数値は、男子 15.4%(名塩小学校)で、女子 20.6%とこれも名塩小学校の数値でした。
西宮市の平均値は、男子 30.8%、女子 37.7%でした。
これは、クラスのなかで 1.0の視力がなかった生徒が、3分の1強いるということになります。甲陽園の児童にいたっては、4割を超えています。

近視は、網膜にうまく像を結べない状態ですが、両親とも近視の子供は、片方の親が近視および両親が近視でない場合と比較して、眼軸長が長いという報告があります。
また強度(-8D以上)近視の遺伝子として、染色体上に12の遺伝子座が同定されています。このように、近視の原因の一つに、遺伝因子があります。

IpJM,etal,IOVS 2008 によると、オーストラリアの12歳児2353名を対象に近視に関係する因子をアンケート調査したところ、有意となった因子として、1)東アジア人であること、2)両親のうち1人以上が近視、3)30cm未満の距離で読書をすること、4)30分以上持続して読書すること、5)屋外活動の時間、とありました。
また、月刊保団連の2009年3月号には、中国の記事として 2008年に実施された上海市の小・中学生の体力測定の結果が発表され、栄養不良や太りすぎの子供の数が減る一方、近視の児童・生徒の割合が高くなっているとありました。近視の子供の割合は、小学校高学年では約50%、18歳の生徒では75.8%に達したとのことでした。

近視化には、遺伝的要因と環境因子が関係するようです。外で遊ばなくなった子供達、コンピューターのゲームで遊ぶ子供達、夜遅くまでの塾通いなど、現代に生きる子供達を取り巻く環境による因子も大きいものがあります。こういった環境のなかでは、眼鏡装用の低年令化は避けられないようですが、近視進行抑制のためには、適切な眼鏡(完全に矯正しすぎないこと)が大切です。完全矯正の眼鏡は、机に向かう時間が多い昨今の子供の近見時に過矯正になってしまうからです。かといって、ゆるくなった見えにくい眼鏡ごしにがんばって物を見ていると疲れる原因になります。集中力の低下にもつながります。年齢に見合った、作業に見合った、正しい適切な眼鏡装用が大切です。昔から言われていることですが、読書姿勢や休憩(屋外活動)なども、多いに重要と考えられます。

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