今年も師走まであと3カ月を切りました。年を重ねていく毎に、一年があっという間に過ぎていく気がします。新年に初詣をすると、神社の社務所前あたりにその年の厄年の一覧表が載っていたりしますね。厄年は災難や大病を患うといったイメージがあり、私たちは神社にお参りし、無病息災を祈るわけです。
一般には、男性の42歳が知られていますが、女性の場合33歳や37歳であり、その歳に私も「今年は厄年だから気をつけなさい」と、親から言われたことを思い出します。その他にも男性では、25歳と61歳、女性では、19歳も厄年です。古来言われてきたこの厄年ですが、平均寿命が延びた現代にあって、江戸時代と同じ年齢設定というのは、実情に合わない気がしませんか?
ということで、民間研究機関の「年齢研究所」が日本医療センターの協力を得て、昨年約100万人の診療報酬明細書を分析しました。
その内容が、兵庫県医師会の雑誌Pulse Plazaに載っておりましたのでご紹介いたします。
年齢は20~73歳の約75万人について、要介護・要支援の原因となる脳血管疾患・認知証・変形性ひざ関節症・骨粗しょう症・虚血性心疾患・糖尿病の6つに、がんを加えた7疾患の発症率を性・年齢別に調査し、発症リスクが上昇する年齢を統計学的に明らかにしました。それが「新厄年」です。
「新厄年」は、男性が24、37、50、63歳、女性が25、39、52、63歳です。
男女ともリスクが急上昇する63歳は「新大厄」と呼んではいいのではないかと、分析にあたった同研究所の板倉弘重所長は述べています。
「新大厄」は還暦を過ぎ、会社員なら退職の頃でしょうか。平均寿命が85歳はありますから、無事「新大厄」を乗り越えてもあと20年以上命が続くことになります。健康寿命(以下*)も、現在の日本人は男性が70歳、女性が74歳ですので、平均寿命との差は大きく、何とか生活習慣を見直しながら、健康体でいられる寿命を延ばしていきたいものですね。
*日常生活が制限されず(日常的に介護を必要としない)、自立した生活ができる生存期間をいう。