めまいとは 体のバランスを保つ機能が崩れて生じる症状です。めまいの症状が出ると、びっくりして目の異常と思い、眼科を受診されます。ところが多くのものは、脳の異常や耳の異常から生じています。2009年1月に、一度めまいについてこのコラムに書いていますが、今回はおもに、めまいのタイプやそのタイプ別症状を中心にお話ししたいと思います。
皆さんが一番気になる脳の異常によるものは、命にかかわる危険なものです。「ヨロヨロめまい」がその特徴で、足元がぐらぐらして、歩くとふらつきます。それに加えて激しい頭痛があったり、ろれつが回らなくなったり、手足がしびれたりもします。脳梗塞や脳出血、一過性脳虚血発作、椎骨脳底動脈循環不全など、脳の病気の可能性があります。このめまいの場合は、緊急を要しますので、内科のかかりつけ医や救急医にすぐ診てもらってください。
耳の異常によるものは、「グルグルめまい」が起こります。回転性のめまいで、周りの景色がグルグルと回っているように見えます。体の回転を感知する耳の奥の三半規管が障害を受け、難聴などの耳の異常を伴います。ところがそのメニエール病と違って、聴覚症状が出ないものがあります。前庭神経炎と良性発作性頭位めまい症というものです。前者は、バランスの情報を脳に伝える前庭神経が炎症を起こしたもので、とても激しいめまいを生じます。後者の良性発作性頭位めまい症ですが、ものを見上げたり、寝返りを打ったり、しゃがんでものを拾うなどといった頭を動かす動作でめまいが生じます。この病気は、耳石という細かい粒子がはがれて三半規管にはいりこんでしまうために起こります。
その他、「フワフワ浮いているようなめまい」や、立ちくらみのような「クラッとめまい」もあります。自律神経失調症や更年期障害、貧血や低血圧からそのめまいは起こります。またストレスや糖尿病などの生活習慣病でも、めまいの症状が出ます。
めまいの原因はこのようにさまざまです。重大な病気のこともありますので、内科や耳鼻科の受診も必要ですね。