初期療法とは、花粉が飛び始める2週間前、または少しでも症状が現れた時点で、抗アレルギー薬の目薬を使い始めるという治療法です。
2007年や2013年にも、初期療法について書いていて、このコラム欄にあげていますが、シーズン到来前の今この時期、再びお伝えしようと思います。
症状がひどくなってから、慌てて受診し点眼するよりは、初期療法は 効果的なメリットが2つあります。
第1に、花粉が本格的に飛び始めたとき、症状の出る時期をあとに遅らせることができます。
第2に、花粉飛散に反応する本来のアレルギー症状を、軽くできます。
つまり、つらさの「期間(長さ)」と「程度」がましになることが期待できるのです。
早めの対策が、功をなします。
また、かゆみや充血がましになったと、勝手にやめると、再び症状が出て、かえって程度が強くなります。ですから、症状が弱くても、花粉シーズンが終わるまでは、目薬は続けていただくことが、つらい花粉の時期を乗り切るコツだと思います。
スギ花粉症の患者さんは、ヒノキ(4月下旬~5月上旬)の花粉にも、アレルギー反応が陽性に出る方が、6~7割おられます。イネ科(初夏)の花粉には 2割、ハウスダスト(年中)には 3~4割の方が、陽性に出ます。
このように、いくつものアレルゲンに反応が出る方は、一年を通して、程度の差はあれ、アレルギーの症状に悩まれます。ですので、継続して点眼していただくことになります。必要最小限の薬を、症状に応じて、効率よく使っていただけるようにアドバイスできればと思っています。
また、コンタクトレンズを装用されているスギ花粉症、アレルギー性結膜炎の患者さんにも、レンズを装用したまま点眼治療できる薬がありますので、ご相談ください。