コラム

2008 花粉症の話題 2(ステロイド点眼剤)

「花粉が飛散し始める2週間前頃から、抗アレルギー剤の点眼を使用すると、アレルギーの症状が軽くなることが多い」と、以前のコラムでご紹介しました。(コラムの欄 「スギ花粉症の時期をうまく乗り切るために」を参照してください)

多くの方は、一般の薬局(OTC)で花粉症の目薬を買い点眼するも、軽快しないため、何とか時間を作りようやく眼科を受診するというのが現状ではないでしょうか。通学通勤をはじめ現代人は仕事や時間に追われなかなか受診がむつかしく、まずはOTCの目薬をと求める方が多いからだと思います。
そういった状況から、ピーク或いは後半になってから、「このとにかくつらい痒みや充血といった症状を取ってほしい!」と眼科へ駆け込まれる患者さんが増えるのだと思います。
そこで私達眼科医は、症状の重さにもよりますが、ステロイド点眼剤を処方することになります。

一般のかたは、ステロイド剤の飲み薬や塗り薬の副作用から、ステロイドは怖い薬と思い込んでいる人が多いように思います。過敏に反応するかたがいます。
確かに、全身投与や皮膚へのステロイド(ランクの強いもの)を長期に続けると、副作用も全身に、多岐にわたるのも事実です。ただ副作用は、全員に出るかのようにとらえられているかたがいますがそうではなく、副作用の発現は、投与の方法や期間(総投与量)によって差があり、また個人差もあるのです。
ステロイドの種類や濃度、投与方法(全身か局所か)、投与期間を、厳重に管理すれば、炎症を抑えるという最大の長所をもつお薬だと思います。
問題は、ステロイドを使用している時ではなく、中止した時なのです。指示を守らず、使用しなかったり勝手に中断したりするのが、一番いけないことです。
結局はリバウンドしたり、症状を長引かせることになるのではないでしょうか。

ステロイド点眼剤の場合、全身への副作用はさほど心配することはありません。
ただ、眼への副作用には、注意しなければいけません。
最も、注意すべきは眼圧上昇です。極低濃度剤のものでは少ないですが、低濃度剤以上のステロイド点眼剤に敏感に反応して眼圧が上がる「ステロイドレスポンダー」と呼ばれる人がいます。どの人がステロイドレスポンダーなのかは、残念ながら事前にはわからないのです。ですから、ステロイド点眼剤を使用したときは、必ず眼圧チェックをうけてください。万が一、ステロイド点眼剤により上昇した眼圧は、点眼を止めれば、普通は元にもどります。
次のチェックは角膜の感染症です。ヘルペスや真菌(カビ)の感染症を誘発することがありますので、これも注意深く診ています。
指示したように点眼回数を守り、再診していただければ、副作用のチェックはもちろん、症状がよくなっていれば早くお薬(ステロイド点眼剤)を切り上げる方向へともっていけます。
一番心配なのは、良くなったからと再診されず、一度処方されたステロイド点眼剤を長い間手元に持っていて、時々点眼していたという患者さんです。このような方は、久しぶりに受診された時に、副作用が出ていたと後になって初めてわかることになります。危険で怖いことです。

花粉症やアレルギー性結膜炎にたいして、症状の重さによっては「点眼といった局所(眼)にステロイド剤を使うことがある」ことを理解してください。
その上で、納得され、やはり用法用量を守っていただければと思います。
安心して治療を受けていただけるよう、繰り返し説明に心がけていきたいと思っています。

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