最近のお化粧は目元を強調したものが流行り、アイライナーをまつ毛の根元にひく若い女性が増えています。中には、まつ毛の内側の粘膜の部分にも塗る人さえいます。
まつ毛の内側にはマイボーム腺の開口部が並んでおり、そこから分泌される脂質成分は、眼の表面の涙の蒸発を防ぐ役割をしています。このコラム欄で、“質のよい涙”という項で説明していますが、涙は水分だけでなく、油や糊のような成分が必要なのです。例えは悪いかもしれませんが、サラダドレッシングは、酢(水分)だけではなくオリーブ油(油)や隠し味(必須成分)があってこそ美味しい上質なドレッシングとなります。それと同じように脂質成分も涙には必要で、その出口のマイボーム腺をアイライナーでふたをしてしまうと出なくなりますから、脂質成分の少ない涙はすぐ蒸発してしまい、ドライアイ傾向になりやすいというわけです。
また、アイメイクをとる場合、クレンジングやリムーバーを使い、油を油で浮かせて落としますが、コットンや綿棒を使い、丁寧にしっかり優しく拭き取りましょう。まつ毛の根元も清潔に保ちたいものです。
また必ず、コンタクトレンズをはずしてから、クレンジングをするようにしましょう。